今回のニュースは、ビットコインの長期的な位置づけを考えるうえで重要なものです。
アメリカ下院の金融サービス委員会で、政府が保有するビットコインを「戦略的ビットコイン準備金」として管理する法案が、賛成28・反対21で前進しました。
ポイントは、「アメリカ政府が保有するビットコインを、原則20年間売らない」という仕組みです。法案では、準備金に入ったビットコインは最低20年間保有し、その間は売却・交換・オークションなどを原則として禁止するとしています。
「ビットコイン準備金」とは何か
初めての方は、国が持つ「金(ゴールド)の備蓄」のビットコイン版と考えるとわかりやすいでしょう。
国は将来に備えて、金や外貨などさまざまな資産を保有しています。今回の法案は、犯罪捜査などによって政府が取得したビットコインを財務省の準備金として管理し、長期間保有する仕組みを法律にしようとするものです。
なぜ「20年間売らない」が重要なのか
ここが今回いちばんのポイントです。
これまで、政府が犯罪などで押収したビットコインは売却されることがありました。しかし法案が成立すれば、準備金に入ったビットコインは原則として20年間、市場に売りに出せなくなります。
つまり政府がビットコインを「売って現金化する資産」ではなく「長期保有する戦略資産」として扱う制度になるということです。ビットコインの社会的な位置づけという意味では、大きな変化です。
価格はすぐに上がるのか
ここは冷静に考える必要があります。
今回の法案は、政府に大量のビットコインを新しく買わせる法案ではありません。基本的には、政府が取得・保有するビットコインを長期間保全する仕組みです。追加取得については、予算に影響を与えない方法を検討する規定にとどまっています。
そのため「法案が成立したら政府が大量購入し、すぐに価格が上がる」という話ではありません。一方で、政府保有分の売却圧力が抑えられることや、ビットコインが国家レベルの準備資産として制度化されることは、長期的な市場心理にはプラス材料になり得ます。
まだ法律になったわけではない
今回通過したのは下院の金融サービス委員会です。法律として成立するには、この先も下院本会議や上院などでの手続きが必要です。
「アメリカ政府が20年間保有することが決定した」わけではなく、法案が一段階前進したというニュースです。
まとめ
今回、価格以上に注目したいのは、ビットコインの「扱われ方」が変わってきていることです。
かつては「怪しいインターネットのお金」というイメージを持たれることも多かったビットコインが、いまではアメリカ議会で「国家が長期保有する準備資産として、どう管理するのか」が具体的に議論されています。
ただし今回の法案は新規の大量購入を決めたものではなく、成立もまだこれからです。価格だけを見るのではなく、世界がビットコインをどのような資産として扱い始めているのかという大きな流れを、これからも追っていきましょう。
出典:CoinPost
